【マルタ留学の現状】コロナウイルスで緊急帰国した経緯

マルタ留学とコロナの現状

マルタに1ヶ月、アイルランドに1ヶ月のオトナ語学留学をする予定でしたが、コロナウイルス(COVID-19)の影響で緊急帰国をする判断となりました。語学学校の休校が決定したのが2020年3月13日。

マルタは緊迫状態、強制隔離も

新型コロナウイルス拡大の経緯

  • 2019年12月31日:武漢で原因不明の肺炎が発生
  • 2020年1月7日:新型コロナウイルスと判明
  • 2020年1月12日:中国で初の死者を確認
  • 2020年1月13日:中国以外で初の感染確認
  • 2020年1月16日:国内初の感染確認
  • 2020年1月20日:ヒトからヒトへの感染が判明
  • 2020年1月23日:武漢を封鎖
  • 2020年1月27日:中国人の団体ツアー旅行が禁止
  • 2020年1月28日:日本人の感染者を初確認
  • 2020年1月29日:武漢からのチャーター機第1便
  • 2020年1月31日:WHOが緊急事態宣言
  • 2020年2月1日:日本で「指定感染症」に
  • 2020年2月5日:ダイヤモンド・プリンセス号で集団感染が判明
  • 2020年2月8日:武漢在住の日本人が死亡
  • 2020年2月11日:病名を「COVID-19」と命名
  • 2020年2月13日:国内初の死者

マルタでの感染拡大の経緯

  • 2020年3月3日:マルタ初の感染者家族がイタリアから到着
  • 2020年3月3日:マルタ初の感染者3件を政府が発表
  • 2020年3月11日:マルタ政府が14日強制隔離を発表(€1000の罰金)
  • 2020年3月13日:マルタ政府が渡航禁止令2020を発表
  • 2020年3月16日:マルタ政府が強制隔離の罰金を引上げ(€3000の罰金)
  • 2020年3月21日:マルタ国際空港の閉鎖

マルタ留学の経緯

  • 2020年3月1日:マルタに到着
  • 2020年3月13日:休校が決定&2週間の強制隔離対象に
  • 2020年3月14日:強制隔離期間(フロアメイトも対象)
  • 2020年3月15日:3月1日渡航者の強制隔離期間終了
  • 2020年3月16日:帰国に向けマルタを出発
  • 2020年3月17日:成田空港検疫所はダウン
  • 2020年3月18日:出社自粛の要請、リモートワークへ

マルタの語学学校で休校を言い渡され、フロアメイトとベランダでこれからの話をしました。まだ語学学校に通い始めて2週間、たどたどしい英語で何とかコミュニケーションをとりました。

休校と同時に知らされたのが、日本からの渡航者の強制隔離のこと。一切の外出を政府から禁じられ、日本渡航者と同じフロアに住む仲間も巻き添えになったのです。フロアメイトは「気にするなよ」と声をかけてくれました。

マルタの強制隔離とは

マルタの強制隔離は、一切の外出を禁ずるというもの。そのニュースを知らされ、最初に思ったのが「食事はどうするのか」ということ。ニュースでは政府から支援があるとされていましたが、強制隔離の対象者であることさえ連絡がない現状、支援などあるはずもありませんでした。幸い、2週間の隔離期間であったものの、渡航日からカウントすることが出来たので、1日2日のみの辛抱。残り物を食べながら、家でゆっくりしていました。しかし、14日頃に辿り着いた日本人留学生は、食料もなく、英語もわからずに困惑している様子がTwitterなどで見て取れました。

強制隔離中は、外出をすると罰金が取られます。日本円で、約13万円(1000ユーロ)です。さらに、その数日後、罰金が約39万円(3000ユーロ)に引き上げられました。日に日に規制は厳しくなり、強制隔離の対象者が家にいるか「在宅確認」を開始。いよいよ緊迫した状態となって行きました。その頃には、航空閉鎖の噂も飛び交い、留学生は辛い現実と見通しがつかない未来に絶望を感じざる負えない状況でした。

強制隔離期間の過ごし方

マルタは、温暖な気候の島国。日本で言うところの沖縄のような印象があるリゾートアイランドです。そのため、語学学校のアナウンスも「家でゲームやNetflix、自分の好きなことをして楽しんで」と言う温和なものでした。語学学校の先生たちの配慮だったのかもしれませんが、考え方ひとつで楽しむことができることを知りました。

強制隔離期間の過ごし方は、語学学校のアナウンス通り、ゲームやNetflixを見て過ごしました。とにかく焦らず、冷静にいることを心がけながらも、マルタ現地のニュースや大使館の情報を集め、これからどうして行くべきなのかを考えていたのです。

帰国することも視野に入れつつも、やはり「せっかく来たのだから帰りたくない」という思いが、なかなか航空チケットを予約ができなかった理由です。

強制隔離期間終了し、マルタの海へ

強制隔離期間が終了して外に出ると、語学学校の生徒が「これからビーチに行くけど一緒に行こうよ」と誘ってくれました。強制隔離期間が終了したと言っても、政府から「外出OK」と言う連絡が来るわけではないので、少しだけ不安でしたが、ビーチに行くことにしました。

海に出ると砂浜で横たわっている人が多くいて、コロナの影響は大きくないのではないか……そんな錯覚をするほどでした。マルタはまだ春なので、海の水温は低く、海水浴を存分に楽しめる状況ではありませんでしたが「今日で最後かもしれない」と思いながら、めいいっぱい楽しむことに。水中メガネで海の中をのぞくと、そこには平和そうにカラフルな魚たちが泳いでいました。

帰国に向けマルタを出発

マルタの帰国を決めたのは、帰国する前日でした。海から帰って、食事をしながらゆっくりと過ごしていました。その日の夜、語学学校の日本人スタッフから連絡が届いていることに気づき、スカイプを使って会話することができました。

マルタの次に行く予定だったアイルランドは休校が決定し長引く可能性があること、空港閉鎖もあり得るので早めに帰国するよう伝えられました。ここでもやはり迷いましたが「帰るのも勇気だ」と言い聞かせて、すぐさまチケットを購入、宿泊施設のチェックアウトを担当者に言い伝えました。

たった2週間なのに帰国日に涙

チェックアウトが完了し、4週間の修了証書を受け取りました。

本当にあっけない2週間でしたが、全てが濃密で貴重な体験が出来ました。強制隔離をされ、帰国を余儀なくされましたが、行ったことに後悔はなく、たくさんの友達が出来ました。行く前は不安で、人との会話が苦手な所謂「コミュ障」な自分が、友達なんて出来るのだろうかと思っていましたが、空港に向かうタクシーを多くの人が見送ってくれました。たったの2週間で、こんなに涙が出来るのは本当に幸せなことなのだと思います。

マルタの空港は厳戒態勢

マルタの空港は、多くのスタッフがゴム手袋をして、マスクをしている状況でした。マスクが出来ないインフォーメーションスタッフとは、乗客と一定の距離があくように簡易フェンスが設置されていました。乗客も多くの人がマスクを着用、マスクがない人はスカーフなどで口元を覆っていました。航空機内でもコロナウイルス(COVID-19)についてのアナウンスが流され、感染予防を訴えていたのです。

成田空港検疫所が機能停止、全員が素通り

成田空港に到着して驚いたのが、スタッフの多くがマスクをしていなかったこと。そして、検疫所は機能しておらず、他の空港で行なっているサーモグラフィーなどの検査もありませんでした。マルタが緊迫していた雰囲気だった反面、日本のゆるさに安心する一方で、少しガッカリ感や不安感がわいていました。

後から知ったのですが、成田空港の検疫所で職員が試薬を落とし汚染されると言う事故が発生したことが、検査を停止していた理由でした。ただ、そんな理由があったとしても、少しの検査もなく、海外からの渡航者が東京都をはじめ、その他の地域に帰って行ったこととなると、よい想像は出来ないものです。

成田空港から公共交通機関で帰宅

特に誰に何を言われることもなく、空港も厳戒態勢と言う感じではなかったので、帰り際にスターバックスを購入し、公共交通機関で帰宅しました。日本でもコロナウイルス(COVID-19)感染者は増えていると聞いていたので「本当にいいのかな」と思いながら、帰路につきました。

海外渡航の翌日に満員電車で出社

海外渡航から帰国することは、事前に会社に伝えていましたが、特に何を言われることではなかったので、出社することにしました。日常に戻り、満員電車に揺られて出社。マスクは着用しているものの、周囲の人はあまりマスクをしておらず、感染の心配はないかもしれないという感覚でした。

ただ、会社につくと担当者から「出社自粛はして、2週間はリモートワークをしてください」と連絡が。そのまま帰宅し「自主隔離」が始まったのです。

今後はオーバーシュートの可能性も

成田空港の検疫がなされなかったこともあり、感染原因が不明な爆発的患者数の増加(オーバーシュート)が今後は増える可能性があると言う話もあります。日本では経済とのバランスもあり、野外の大規模イベントは復活する方向でも検討が進められています。

日本、EU、アメリカ、オーストラリア……など世界全体で問題が収束しなければ、語学留学やワーキングホリデーは、また遠い存在になってしまうのでしょうか。

体温計が売切れで入荷予定なし

3月23日、相変わらずドラッグストアにはマスクを買い求める人の行列が絶えない日本。マスクだけではなく、トイレットペーパーなども商品棚から消えているのが現状です。また、困ったことに体温計も一切ありませんでした。体温計がありそうな店舗をまわったのですが、いずれも入荷予定なし。局所的なのかもしれませんが、コロナウイルス(COVID-19)に関連する商品が品薄状態になっており、改めて異常さを感じました。

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【マルタ留学の登校2日目】慣れない授業とフライト疲れで涙目!夜の散歩を敢行

マルタ留学の2日目

2日目は初日よりも少し緊張気味でスタート。

2日目は初日より疲れ気味

初登校は「どんなことが起きるのだろう」という思いでしたが、2日目は雰囲気がわかったので「大丈夫かな」という緊張の方が大きかった気がします。英語ばかり使っていたので、日本語さえ言葉に出てこない感じでした。

おそらく長時間のフライト疲れが、当日ではなく2日目に来たようです。初日は気持ちが高まっているので気づかなかったのですが、2日目は「疲れた」と思うことが多かったです。

アフタースクールは不参加

授業が終わった後に追加のクラスがあったのですが、アフタースクールは不参加。フライト疲れなのか、どんよりと体が重く、帰宅してお昼を食べて即寝ました。

留学という高揚感もあり、お腹は空いているものの、食事が喉を通りません。外食ではなく、ピザやサラダをテイクアウトして、家でゆっくり食べました。

夜は家の周辺を散策

街に出る時間がなかったので、マルタの夜を見てみるために、近所を散歩することに。本屋さんに入ってみると、イタリアっぽい雰囲気のノートなどがありました。もちろん書籍も全て英語やイタリア語なので、見てみるだけでもワクワクします。

街を散策したあとは、スーパーマーケットへ。水や軽食を購入して帰宅。冷凍食品や食材をくまなく見てまわるのは楽しかったです。食材は、オリーブオイルやパスタ、冷凍ピザなどは安く、日本食の材料は高いイメージがありました。

朝ご飯や小腹を満たした「クラッカー」

日本ではあまり食べない「クラッカー」ですが、マルタはクラッカーの種類が豊富です。日本のように「おにぎり」や「太巻き」などの小腹を満たすものがないので、クラッカーは重宝しました。

【マルタ留学の初登校】オリエンテーションとクラス分け!コロナウイルスで初差別も

マルタ留学の初登校

マルタ留学の初登校。これからどんなことが起きるのかを考える余裕もなく、少し遅れそうになって、慌てた朝でした。起きるのは朝早かったのですが、ゆっくりしすぎました。無事、時間前には到着することができ、初授業が始まりました。

登校時間は余裕を持とう

当たり前の話ですが、通学道は事前に確認を。今回は、たまたま学校から近かったため、前日に確認しておきました。すぐ近くだったから良いものを、初日から遅刻……なんてことにならないように注意を。

初めての授業は、インダクション、オリエンテーションのみ。学校の説明などが終わったら、クラス分け。アフタースクールの「オリエンテーションの散歩」にも参加し、周辺施設の説明を聞きました。SIMカードについての情報も知ることができ、初日のオリエンテーションは参加して良かったです。

まずは情報を集めよう

英語の勉強もかねて、語学学校のカフェで色々な人に話しかけました。最初、あたふたしていると、先生が「この子は日本から来たのよ」と在校生を紹介して話すことが出来ました。英語を話す楽しみがわかると、いろんな人に積極的に話しかけることが出来るはず。

初対面の人との会話は「どこの国から来たの?」「どこに住んでいるの?」「何をしている人なの?」「今、何歳なの?」といったもの。英語が苦手でも、定型文を作って覚えておくと良いでしょう。前日に「自己紹介」の文章を作って、準備していました。

初日は、周囲の人がどんな人か、どんな暮らしをしているかを聞いて、留学生活を楽しむための準備をしていきましょう。

語学留学の初日は「Worst Day」

語学留学の初日は、気持ちが落ちがち。先生は「初日は、Worst Dayだよ」と教えてくれました。フライト疲れ、英語力など、総合的に見てバッドコンディションな一日であることは間違いなく、まさに「これから」の一日。まずは「楽しみ」を見つけて、行動していくと良いと思います。

SIMカードは「Vodafone」

マルタのSIMカードは大きく分けて、VodafoneとGO mobile。1ヶ月のみの滞在であれば「Vodafone」の28日間プランがオススメ。長期滞在の場合は比較的安価な「GO mobile」の人もいます。語学学校の人の多くは「Vodafone」を使用している人が多いよう。何れにしても、昨今の日本のSIMカードより安価なので、日本人にとって抵抗のない価格帯だと思います。

Vodafoneに行ってみると、店員さんに「日本人は学生証が必要」と言われましたので、語学学校の先生に確認したところ「そんなことないんだけどな」という回答でした。学校によってはディスカウントプランがあるのかもしれません。店員さんが勘違いした可能性はあります。

留学で英語力を伸ばすコツ

英語のシャワーを浴びてリスニング力は確実にアップしていきます。今度は、自分が話す番。ただ、日本語を英語にして話すとワンテンポ遅くなり、会話として成立しにくいです。最初は、シチュエーションで定型文を覚えておくと良いでしょう。自己紹介やレストラン、お店のでやりとりにはある程度の決まりがあるので、心の準備も出来ます。とはいえ、定型文を崩した形での質問が来る時があるので、段々と慣れていく良いでしょう。

語学学校で受けた差別「コロナボーイ」

クラス分けで入った教室にいた生徒が「コロナボーイが来たわ」と笑顔で冗談を言ってきました。本人には悪気はなかったとは思いますが、先生は見逃さず「そんなつまらない冗談はやめて」と生徒を叱ってくれました。

日本人も差別意識はないものの、一部の観光客の印象から「だから中国人は……」とか「だから韓国人は……」と何気なく言ってしまいがち。語学留学は様々な人種の人がいて、様々な肌の色の人がいます。自分が差別的な発言をしていないかは注意が必要です。

今回は特に「コロナウイルス 」について、センシティブな状況だったので、特に先生は注意すべきだと感じたのでしょう。その後「コロナボーイが来たわ」と注意された生徒も素直に「すみません」と言ってくれて、授業でも仲良く話すことが出来て良かったです。

【マルタ留学の快適モバイルライフ】初めてのSIMカードを検討!オススメアプリを紹介

マルタ留学のモバイルライフ

マルタのSIMカード事情

マルタのSIMカードは大きく分けて、VodafoneとGO mobile。1ヶ月のみの滞在であれば「Vodafone」の28日間プランがオススメですが、長期滞在の場合は比較的安価な「GO mobile」の人もいます。電波が安定している「Vodafone」を使用している人が多いように感じました。何れにしても、昨今の日本のSIMカードより安価なので、日本人にとって抵抗のない価格帯だと思います。

マルタの語学留学のSIMカード

語学学校によってはSIMカードを支給する学校もあります。留学生にとってモバイルライフは不可欠だと思いますので、手に入れることをオススメします。友人とのやりとりでよく使っていたのは、メッセンジャーアプリの「WhatsApp」です。どこかで待ち合わせをしたり、情報交換に役立ちました。フリーwifiでもまかなえないこともないのですが、通信費は語学留学の計画に入れておくことをオススメします。

マルタの語学留学のオススメ必須アプリ

Tallinja App

Tallinja Appを使用すると、バスのリアルタイム運行情報、バス停マップの閲覧、アクセスルート情報、各ルートの頻度などを確認できます。Tallinja Card の利用者であれば、残高確認や取引履歴の表示が出来て便利です。

eCabs

様々なタクシー会社があるMaltaですが、もっともポピュラーで人気があるのが「eCabs」です。クレジットカードを登録しておけば、キャッシュレスで乗車できるので、料金支払いのストレスがなくラクですよ。他のタクシー会社もアプリを出しているので、ほぼ同一の機能があるはず。

ロケーション紹介

Vodafone(ボーダフォン)

ボーダフォン・グループは、イギリスに本社を置く世界最大の多国籍携帯電話事業会社。プリペイドSIMを安く手に入れることができ、空港や街中に点在。比較的、安定した電波なので、ストレスもありませんでした。1ヶ月のみの滞在であれば「Vodafone」の28日間プランがオススメ。安価なので数週間の旅行でも役立ちそう。Go mobileは電波がやや不安定ですが、より安いので使用者も多いです。現地の語学学校では、長期滞在者向けと言われています。

【初めての大人留学】エージェントなしでマルタの語学学校に決めた理由

初めてのマルタ留学

初めてのマルタ留学へ

会社員になって約10年が経とうとしたある日。ふと思い立って留学を目指し始めました。半年前くらいに周囲の人に言ってみたら「いいじゃん、やったらいいじゃん」と、冗談なのか、ただ面白がっているだけなのか、人ごとだからか、すごく軽い感じだったけど、背中を押された。色々と反対しがちな親だったのですが、私もいい大人だからか「留学、夢なんでしょ?」と言ってくれて、一歩足を踏み出すことになったのでした。

30代で「初めての語学留学」に旅立った私。フィリピン、アメリカはニューヨーク、オーストラリア、カナダなど様々な国がある中で、最初に選んだのは「マルタ共和国」でした。 イタリア南部に位置する「マルタ共和国」は、EU加盟国で周辺加盟国にも数千円から数万円で旅行に行ける便利な国。一度訪れた人は、誰しもが虜になる素晴らしく美しい国です。温暖な地域もあってか、フレンドリーな人々が多く、この1週間生活してみて「心温まる瞬間」がいくつもありました。 訪れる観光客も温和な人が多く、とても親切。初めての語学留学で選んで本当に良かったと思っています。

最初の1週間は環境を整えるので精一杯

最初の1週間は環境を整えるので精一杯。動画編集をする時間ももったいないと思えるくらい、気持ちが高まるスポットばかり。數十分も歩けば、美しい海の景色が広がり、ベンチに腰掛けて風を感じられる。これほど贅沢なことはないのです。 そんな中、1週間程が経って、新しい環境にもなれ、知らず知らずに溜まった疲労を感じつつ、マルタで出会ったことを振り返ってみようと思い立ちました。ぜひ、マルタ(イタリア南部)の爽やかな風を感じていただければ幸いです。もしこれからオトナ留学をしようと思っているならば、ぜひ参考にしてみてください!

大人留学を決めた理由とは

シンプルな答えとしては、音楽やカルチャーへの知的好奇心だと思います。ただそれ以前に、英語を触れる機会が多かったからだと思います。

子どもがやりたいと言ったことだけをやらせる放任主義的な家庭で育った私ですが、英語塾だけは何故か母親にすすめられて行きました。その英語塾はネイティブな女性と日本男性(つまり夫婦、そしてゴールデンレトリバーが一匹)が行う家庭的な塾でした。英語を使ったコミュニケーションに、自然と興味を持ったのだと思います。 大学では、英語のみを使ったユニークな授業がありました。今思えば英語に導かれていたのかもしれません。同じ頃、留学の話があり「行きたい」と思ったのですが、友人や親、周囲の人が誰一人として海外に行ったことがない中で、勇気を持って一歩踏み出すことは出来ませんでした。お金や勉学など、行かない理由を作って、いつしか忘れ去っていたのでした。

今思えば、留学前は、社会人になって10年程が経ったある日、仕事にも慣れ、物足りなさを感じてしまっていたのだと思います。また、病気がちにもなっていたので、大げさですが「もし明日、死んだとしたら何がしたいか」と考えた時に、最初に思い浮かんだのは「海外留学」でした。 語学を学ぶなら、日本にも多くの英会話スクールがあり、わざわざ大金を払って危険な海外に行く必要はなかったのですが、学びたかったのは語学だけではなく、生活・文化だったのです。どんな生活をして、どんな思いで日々の暮らしを過ごしているのか……。 10年ほど働いた自分の「バケーション」という気持ちもあると思います。同じような毎日、安倍政治批判ばかりの日本に嫌気がさしていたのかもしれません。

大人留学を決めた時期

半年前から準備をすすめていましたが、結局は直前まで悩んでいたのです。  今だから言えるのですが、本当に「留学」を決めたのは、行く2週間前です。会社の上司に「ご迷惑をおかけしますが、いってきます」と挨拶した時には、学校・飛行機チケット・持ち物さえ決まっておらず、旅行鞄さえ持っていませんでした(笑)

コロナウイルスの影響もあって「延期しようかな」と、また行かない理由を作ってしまうところでしたが、もう後には引き返せない。全てを済ませ、バタバタと飛行機に飛び乗ったのでした。

結果的に、コロナウイルスの影響で2週間で帰国することになったのですが、今でも行ってよかったと思っています。たったの2週間でこんなに人は変われるんだと、自信がついた気がします。

留学に行かなくても、各界で活躍されている方は大勢いますから、留学が「成功」への通行手形ではないとは思います。ただ、必要な人には必要なことだ……当たり前で、ちょっと変ですが、そう思うんです。

語学学校・留学先の決め方とは

マルタ留学をする中で、候補にあがったのは「EF セントジュリアン」「EC Malta」「Atlas Language School(マルタ校)」の3つ。いずれも語学留学のエージェントが開催する留学フェアで知ることになりました。

最初はどの語学学校も同じようなものだと思っていました。レベル分けのシステムや校内の設備などは似たり寄ったりで、どれを選んだらいいかもわからなかったのです。色々な人の話を聞いているうちに、心の中で引っかかった何かを自分で探り、自分が本当に行きたい学校はどこなのか、何がしたいのかを考えて行きました。

優柔不断で決めきれない私は、最終的には趣味のタロット占いで「えいや」と決めました。タロットが指し示す答えに、私は「No」とは思わなかったのです。

どの学校も「色(カラー)」があるので、もっとも大事な「好み」で選ぶと良いと思います。 いずれも良い人たちばかり、私は「Atlas Language School(ダブリン校)」の日本人スタッフに導かれて「マルタ校」にいます。オープニングということで、ディスカウントがあったのも魅力の一つです。

最終的には、様々な学校のスタッフに会って、話して、最後は自分で決めることが大事だと思います。そして、楽しむことを忘れなければ良いと思います。学校に通いながら「違うな」と雰囲気に馴染めなかったなら、学校を変えるのも一つの選択肢です。実際に、現地で出会った日本人に良い学校があることを聞いて、通う学校を変えた人もいます。

マルタ留学の季節!ベストシーズンは夏

冬は寒く、夏は暑いマルタ。3月は日差しが強いものの、風は寒いためビーチで泳ぐ人は見られません。それでも、海の風は心地よく、日本の春と同じくらいの雰囲気です。

夏になると、どの学校も割高になります。ですが、心が解放される季節はやはり「夏」だと思いました。マルタに実際に行ってみて「春もいいけど、もっと暑い夏なら、もっと楽しいだろうな」と感じたのです。

後日談ですが、マルタ留学がコロナウイルスによって中断され、帰国する前日に海に入りました。春の海に思い切って飛び込んだものの、とても寒くて風邪を引きそうでした。ですが、語学学校で知り合った友人がシュノーケリング(水中めがね)を持っていて「見てみて、たくさん魚がいるよ」と見せてくれた素晴らしい海の景色は忘れられません。帰りの飛行機では、日焼けの痛みさえ心地よく、語学学校の友だちのことを思いながら涙しました。

たった2週間で夢を打ち砕かれましたが、されど2週間だと思います。こんなにも仲良くなり、信頼できる人たちができるなんて考えもしませんでした。それほど、留学は濃厚な時間だったのだと思います。最後は友だちになったみんなが一緒に涙し、見送ってくれました。

30代40代でも「遅い」はない留学

30代でも「遅いかな」と思っていましたが、留学に来ている生徒には40代、50代、60代と年齢が幅広いことに驚きました。EFの説明会に行った時は、70代の女性が留学をしようと考えていました。 もちろん本人たちは年齢のことを気にして「みなさん若い」といますが、私個人としては80代で留学することを決めるなんて「尊敬」しかありません。

留学を馬鹿にする人がいたとしても、一歩踏み出してみれば世界の素晴らしい仲間と出会えるので気にしないでください。 私も実際、60代の女性と語学学校で知り合い、友だちになりました。さすがに若い人が集うパーティーでは姿を見てませんが、一緒にご飯を食べて、将来について語り合いました。

私は幸いにも、多くの人が応援してくださり、背中を押してくれました。応援してくれる人がいることに気づけたのも、留学を決めて良かったと思える一つのサムシングです。

ロケーション紹介

Hilton hotel(ヒルトン マルタ)

St. Julian’s(セントジュリアンズ)にある5つ星のホテル。その中にある「Hilton Malta ヒルトンマルタ VISTA LOBBY LOUNGE」は、マルタ留学中にリラックスしたい人におすすめ。少しセレブなティータイムが過ごせます。ラグジュリー感溢れる雰囲気に、思わずウットリしてしまうはず。スイーツやコーヒー・紅茶で、チップを入れて9ユーロ程(10%が相場)なので、他の店よりも少し高いですが、素敵なオーシャンビューを数千円弱(現在:€1=125円)で楽しめるなら安いもの。

Bay Street(ベイ・ストリート)

留学生の多くが訪れる繁華街の一つ。日本人にもお馴染みのマクドナルド、長期滞在に必需なSIMカードを手に入れることができるvodafonやGo mobileがあります。一ヶ月程度であれば、少し高いですが電波が安定しているvodafonがオススメです。日本にいる間にネットで出来る「SIMフリー」の手続きを忘れずに。SIMカードを取り出すクリップなどが必要なのですが、vodafonの店員さんに「Can I get something to open?(何か開けられるものあります?)」と聞くと小さな釘をくれましたよ。 このエリアは、近くにはナイトスポットが多くあり、日本でいう渋谷・新宿でしょうか。週末の夜となると、多くの人が押し寄せます。楽しい雰囲気もありますが、あまり深い入りするとトラブルに巻き込まれる恐れもありますので注意を。

St. Julian(セントジュリアン)

象徴的な大きな教会「Church of Our Lady of Mount Carmel (チャーチ・オブ・アワー・レディー・オブ・マウント・カーメル)」やレストランが立ち並ぶエリア。留学生が一度は通る道。日本人の姿もチラホラ見かけました。

Peppino’s(ペッピーノーズ)

日本人フレンドリーな店員がいるレストラン。ルーフトップからの眺めが最高です。パスタや魚料理の他、伝統的な「うさぎ料理」も食すことができます。おひとりさまでも楽しめますが、現地で友達になった人と足を運んでみて。

参考にした書籍

まるごとマルタのガイドブック/林 花代子

可愛い表紙に一目惚れ、細かいところまで行き届いた内容。林 花代子さん自身も留学生として訪れた経験があり、巻末にはオトナ留学のレポートも。社会人留学生にも嬉しい情報が掲載されていて、とても重宝しています。

留学のタイミングについて

他の時期と比べて、タイミングが「とても良かった」と思える部分と「とても悪かった」と思う部分と半々な感じがします。

有給をフルで使い留学するには、3月と年度が変わる4月に行くしかなく、コロナウイルス で日本が大変な中、少しうしろめたい気持ちがありました。 運よく、マルタにはコロナウイルスがまだ上陸しておらず、入国もすんなり行きました。しかし、1週間もしないうちにコロナウイルスの発症者が現れ、警戒ムードに。

アジア人の友だちとは「アジア人が風邪でも引いたら差別の対象だ」と危機感をあらわにしていました。健康に気遣いながら、他の日本人やアジア人が差別されていないことを祈るばかりです。 クラス分けで新しい教室に通された時に、生徒の一人が冗談で「コロナボーイが来た」とつぶやきが聞こえて、やっぱり来たかと笑ってしまいましたが、先生は本気で「Not Funny」と怒ってくれました。本当に良い学校に来たのだなと感じた瞬間です。

2週間目の金曜日に休校となり、強制隔離の対象となりました。空港閉鎖の噂もあったため、帰国することを決めました。

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